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工場や倉庫の火災保険について

2017年2月に報道された事務用品の通信販売最大手企業「アスクル」の物流拠点とされた倉庫で起こった火災は、鎮火までに数日間を要する大きな火災となりました。

この事故では、無許可で危険物を保管していたことも火災の大きな原因と考えられますが、火災が広がる過程でスプレー缶に引火した可能性についても報道されていました。

一般的な製造業の工場や倉庫には、スプレー缶などはごく当たり前に存在しますし、段ボールやコピー用紙なども得やすい物品も多数あることから、いったん火災が起こったら取り返しのつかないことになる、という点は容易に想像がつきます。

特に、引火点の低い物質が多数保管されている倉庫では、火災によって庫内の温度が急激に上昇すると、引火性物質が一気に燃え上がることになり(フラッシュオーバー現象)、火災が拡大しやすいのです。

また、密閉性の高い倉庫や工場で火災が起こり、誰かが入口をあけたりすることをきっかけに、大量の酸素が供給されると、炎が大きくなるバックドラフト現象も、工場や倉庫の火災では多いです。

トラッキング現象などが原因で電気火災が起きた場合には、安易に水で消火しようとすると感電してしまうことや、化学消火が必要な火災などもあるため、工場での火災の消火活動には特別な注意が必要です。

このような事情を踏まえ、工場や倉庫については必ず火災保険への加入をしておかなければならない、と言えます。

それだけではなく、工場内で火災というトラブルが起こらないよう、従業員の皆さんにも徹底的に指導するようにしましょう。

また、火災によって失われた物品や機械類、建物などを保険金を受け取って復元しさえすれば、企業としての活動を完全に元に戻せるというわけではありません。

周囲の人に、延焼や消火活動の際に被害を与えているなら、損害賠償などを行う必要もあるでしょうし、信頼回復にも費用と時間がかかります。

倉庫や工場を立て直すことができるまで、人件費や税金などがかかりますが、休業損害補償や利益保険などを利用して、そのコストに備える必要もあるでしょう。

火災により、従業員がケガをしたといった場合には、任意労災保険や上乗せ労災保険の適用を受けなければならないかもしれません。

貴社が加入している火災保険の内容は、工場や倉庫を立て直すために必要かつ十分な内容か、他の補償もきちんと確保できているか、ぜひとも確認しておいてください。

建物ごとにばらばらに加入している保険は、契約時期などに注意しながらひとまとめの契約を結び直すことで、保険料の軽減ができることもあります。

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